2019年1月17日よりシヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションの事前エントリーを開始いたしました。
詳しくは本サイトトップページをご覧ください。
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「11th SHACHIHATA New Product Design Competition(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」の表彰式を、2018年10月12日(金)、GINZA SIX6階の銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM(ギンザ アトリウム)で開催しました。表彰式当日は、全718点と過去最多の応募の中から厳正な審査のもと選ばれた受賞作品、全11点の発表・表彰を行いました。また、幅広いジャンルでデザインの発展を牽引し続けている審査員の喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏も登壇し、審査講評やトークショーを行いました。
さらに、表彰式では次回の開催決定も発表しました。詳細は後日公開となります。
受賞者コメント
「初めて自分のハンコを持ったとき、すごくうれしかった覚えがあり、触ってみたり捺してみたりしていました。その気持ちをもっと長続きして、もっと広がりをもたせて、相手に渡ったときに相手も楽しめる、そういったコミュニケーションのひとつとして使えるように考えて応募しました。作品がこのような評価をいただき、うれしく思います。」
選定理由(舟橋より)
「まさにデジタルとアナログの融合として再スタートにふさわしいと、審査員の皆さんの意見が一致し、グランプリに決定しました。実はシヤチハタは過去に、QRコードに関しては大失敗してしまったことがあります。QRコードが出た当初、QRコードだけのスタンプを作ったのですが、当時は消費者の方々がまだQRコードに慣れ親しんでおらず、全然売れませんでした。今回の作品はQRコードの中に名前を入れながら、データを外にQRコードで散らばせるというものです。その情報をどのようにするのか、というサービスを検討すると、とても便利なものになると期待しています。」
受賞者コメント
「3Dプリントの制作機がとても身近になって、このような作品もできるのかなと思い制作に至りました。3Dプリントでやけどしたことなど、制作に取り掛かった頃のことは良い思い出となりました。」
選定理由(舟橋より)
「基本的にハンコの印影は唯一無二の手彫りのものでした。手彫りの定義は最終的には自分のテイストに仕上げていくことです。持ち手を含め世界に一つだけしかないものというところで、一見アナログに見えますが、きちんとデジタルパブリケーションの世界を再現しているという部分が、再スタートにふさわしいものだと思いました。」
受賞者コメント
「数ある作品の中から選んでいただきありがとうございます。作品には3つほど物語があります。1つめは祖母の物忘れがひどくなってきて、思い出そうとするときに空に手で文字を書くような動きをしていて、それがいつも同じ軌道だなと心の中でツッコんでいて。次に、仕事でモーションキャプチャを見学する機会があり、その動きと3Dの繋がりというのをアイディアとして考えていました。最後に、海外で携帯を盗まれたときに、指紋だけではセキュリティが破られるのではないかと心配があったので、「しるしの価値」というのはセキュリティにあるのではないかと思い、こういった作品を作りました。」
選定理由(舟橋より)
「とてもユニークで未来を感じさせる作品でした。指紋と3次元で書くことを組み合わせて認証していくという、未来に一次元ステップアップした作品で、再スタートしたコンペティションにふさわしいと思い選ばせていただきました。現在シヤチハタも印章から認証へステップアップしていこうというテーマを掲げ、少しずつデジタル化を進めていますので、将来的にこういったことが実現していくとマーケットができ上がるのではないかと思っています。」
受賞者コメント
「10年前、浪人であった頃に知ったコンペティションでしたが、10年ぶりに行うことを知って応募して受賞してとてもうれしく思っております。」
選定理由(喜多氏より)
「今、世界・地球にはいろいろな場所がありますが、ほとんどが1つになりつつあります。人の心は洋の東西を問わず、似通っていて、人間本来の共通点がますます一般化し始めています。その中で、印鑑は東洋で生まれましたが、こちらの作品はアルファベットのイニシャルでできており、本来サインで済ませている西洋の方にもイニシャルには思いを持っているのではないかということで、素晴らしいプロトタイプだと思い、選定させていただきました。」
受賞者コメント 代表:佐々木晴美
「大学1年生のときに雑誌でコンペティションのことを知り、来年は出したいなと思っていたのですが、その後開催されず残念に思っていました。今回10年ぶりの再開ということでまた応募しましたが、本当にここまで来ることができて良かったです。」
選定理由(後藤氏より)
「今回の応募作品でいろいろな作品を見てきていたのですが、最初に目に止まった作品で、最後まで残ってくれてうれしかったです。ハンコを捺すときの気持ちはいろいろありますが、その様々なシチュエーションで使用できるようひとつにまとまっていて、ありそうでなかった作品だと思います。また、僕は形も好きでした。名称には「星」がついていますが、僕には、いろんな苦難や障害をやわらげてくれるような、テトラポットみたいに見えました。プレーン、シンプル、ユースフルの三拍子揃った作品で、商品化を期待しています。」
受賞者コメント
「私が20代のときに実は一度応募し、今年また10年ぶりに応募しましたが、このような素晴らしい賞をいただき大変うれしく思います。個人のアイデンティティを表現するには「顔」だと思い至り、写真に撮れば一目瞭然だと考え制作しました。360°カメラなのでGPS情報などの周囲の情報も入れることができ、他にはない捺した瞬間を表せると思います。」
選定理由(中村氏より)
「この作品は、いうならば車のドライブレコーダーのハンコ版に見えました。僕はドラレコ動画が大好きなのですが、ドラレコ動画はまるで車が目を持って人を視覚しているように見えます。同じようにこの作品では、大事な契約などの人間活動のある重要な瞬間にハンコを捺すとき、ハンコが知覚を持って人を見ている、という風景を想像しました。その”見られている感”がすごく面白いと思いました。ハンコそれ自体のデザインというより、ハンコを捺す瞬間に着目したデザインというところが、面白いと思い選びました。」
受賞者コメント 代表:服部隼弥
「「しるしの価値」というテーマを考えたときに、どうしても固くなって小難しく考えてしまったのですが、一旦肩の力を抜いてWigを思いついてからは、自分たちも楽しく取り組むことができました。考え始めたときは、もちろんハンコを捺すシーンは大事な場面も多いものの、もう少し楽しく気軽に捺すことを考えられないかという思いがありました。そういう作品ができたのではないかと思い、今回の賞はとてもうれしく思っております。」
選定理由(原氏より)
「”印章の印象”ということで、なるほどと思いました。ハンコというのは、今回の賞状にも捺してあるように、ひとつひとつオリジナリティがあるものでしたが、プロダクトになって、鈴木とか原とか佐藤とか、ほぼ同じ形のものがリプロダクトされています。それを捺して”認証”するわけですが、それに対していつも「みんな同じハンコを捺しているのに、なんでこれがハンコ(認証)になるのかしら」と疑問に思うわけです。この作品はそこを非常にユーモラスに捉え、”Wig(かつら)”なるものを付けることによって印象を変えている。そういう楽しさが面白いと思い、気に入りました。今回は「しるしの価値」というテーマですが、印章にかつらを付けることでそれを価値付けるという意味でも、今回のテーマに軽快にフィットしていたと思います。プロダクト自体も、透明アクリルでできていて、ハンコを捺したあとにもう一度ハンコを捺すという所作も含め、綺麗にできたと思いました。」
受賞者コメント
「実は10年前も、このコンペティションの審査員賞で後藤賞を頂いたのですが、そのときはまだ学生でした。あのときコンペティションに出て、幸いにも拾い上げていただいたことで、とても背中を押され、10年が経った今もデザインを続けられています。今回もこうやって拾い上げてもらえたことが非常にうれしく、明日からもデザインの仕事を頑張っていきたいと思いました。」
選定理由(深澤氏より)
「審査の際に大量な作品を見てかなり疲れたりもしたのですが、この作品はすごくはっきり覚えていて、選びました。しるすという行為の中で、女性は口紅の色でしるしているんだなということがよく分かりピンときました。女子社員の子が強烈な赤い口紅の色を捺していたら、何かあったのではないかなと思うとか、淡いピンクであれば元気ないのかなとか、勝手に想像して。キスマークとも言ったりするので、しるすこととリップカラーはあっているのかなと感じます。」
受賞者コメント
「僕がデザイン業界に足を踏み入れて今年でちょうど10年ですが、なんとか業界にしがみついてやってきたことの成果が今日この場でできたかなと思い、このように賞をいただけて大変うれしく思います。また今後10年は無条件で頑張れると思います。」
選定理由(岩渕氏より)
「僕もハンコを仕事で捺すことがありますが、捺すときの気持ちがそのときどきで違うと思います。実はハンコを捺すことがコミュニケーションの大事な瞬間だなということを、普段はなかなか気づかないのですが、そういうちょっとした瞬間に着目しているところがすごく良いアイディアだなと思いました。また漫画の表現は日本ならではで、印章も日本で発展してきたものです。そのふたつが相まってオリジナルな表現になっていると思い選びました。」
受賞者コメント
「地味なアイディアなので、コンペティションでは落ちるかと思って全然予想していませんでした。ニューヨークに行ったときに、筆ペンが非常に喜ばれたということを思い出し、世界に通じるクールな筆ペンを作りたいと思って生まれたアイディアです。」
選定理由(岩渕氏より)
「篆刻印と筆ペンは、審査員の私達も盲点だったところで、実はありそうでなかった作品だと思います。筆ペンは海外のお土産でも人気があるし、それにちょっとしたしるしを付けることで手書きの言葉に価値を付けるというところを評価し選びました。」
受賞者コメント
「ひとりひとりのしるしにスポットライトを当てるように照らすというコンセプトでした。今こうしてまさに私がリアルでスポットライトを当てられているということに、作品との不思議な繋がりを感じています。この賞に恥じることなく、今後も精進して頑張っていきたいと思います。」
選定理由(岩渕氏より)
「これもありそうでなかった作品だと思います。アイディアは単純ですが、実はよく見ると、名前にスポットライトが当てられるという意味が込められていて、印影だけではなく、人やアイデンティティに光が当たっているというところまで想像させてくれた部分が良いと思いました。」
また、当日は審査講評・トークショーも開催しました。内容は後日公開予定です。
撮影:Yuka Ikenoya(YUKAI) ※LIP COLOR INK、印影の商品写真を除く
一般社団法人未来ものづくり振興会(所在地:愛知県名古屋市 代表理事:舟橋正剛)は、新しいプロダクトのデザインを募る「11th SHACHIHATA New Product Design Competition (シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」に関して2018年10月12日(金)、GINZA SIX6階の銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM(ギンザ アトリウム)で表彰式を実施し、受賞作品11点を発表しました。
第11回目となる今回は、10年前にも同役を務めた喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、原研哉氏、深澤直人氏に加え、Webやインタラクティブデザインにおいて実績を持つ中村勇吾氏を新たに迎えた5名の審査員、および特別審査員2名の計7名で厳正な審査を実施しました。
テーマは、『しるしの価値 The value of the sign』。長年「しるす」文化の創造に携わってきたシヤチハタにとって原点回帰ともいうべきこのテーマに沿って、自分であることの「しるし」(アイデンティティ)を表すプロダクトもしくは仕組みを募集し、全718点と過去最多の応募をいただきました。
またこの度、 2018年10月12日(土)・13日(土)・14日(日)の3日間、 GINZA SIX内の銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM(ギンザ アトリウム)にて、受賞作品展を開催中です。この機会に是非お立ち寄りください。
<受賞作品一覧>
・グランプリ 1作品(賞金300万円)「自己QR」(清水邦重)
・準グランプリ 2作品(賞金50万円)
「世界にただひとつの印鑑」(明間大樹)
「AIR SIGN」(青柳祥生)
・審査員賞 5作品(賞金20万円)
喜多賞 「イニシャル三文判」(堀川卓哉)
後藤賞 「印星(いんしょう)」(佐々木晴美、坂口杏奈)
中村賞 「360°Stamp」(山口真五)
原賞 「Wig」(服部隼弥、那須裕樹)
深澤賞 「LIP COLOR INK」(望月未来)・特別審査員賞 3作品※(賞金20万円)
「ハンコマ!」(榊原伸一)
「Name Pen Brush」(竹中隆雄)
「印影」(米田隆浩)※厳正な審査の結果、特別審査員賞は当初の予定1作品から3作品に変更となりました
受賞作品についてはこちらよりご覧ください。
シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションは、1999年から10回にわたり開催してきた、プロダクトデザインのコンペティションです。 2008年を最後に一旦休止していましたが、この度、10年の年月を経て再開いたしました。11回目の今回、 『しるしの価値 The value of the sign』をテーマに、自分であることの「しるし」(アイデンティティ)を表すプロダクトもしくは仕組みを募集しました。シヤチハタは、長年「しるす」文化の創造に携わってきた企業として、原点回帰ともいうべきこのテーマを、10年ぶりの開催となるこのコンペで広く世に問いたいと考え、本テーマを設定しました。2018年4月から募集を開始し、応募作品総数は2ヶ月間で718点と過去最高を記録し、好評をいただく結果となりました。
喜多俊之 Toshiyuki Kita
~審査コメント~
今年の応募作は過去のSNDCには見られなかったテクノロジーの要素が加わり、10年間の時代の変化を反映していたと思う。また「しるし」というテーマに対し、さすが印鑑の国と感心するような、判子の大切さを込めた作品が多く見受けられ嬉しく感じた。特に最終審査に残った作品は、パーソナルなプロダクトに必要なこだわりが強く伝わってきて、心惹かれるものが複数あった。次回もローテクとハイテク両方からのアプローチを期待しているが、今年の受賞作や講評にとらわれず、ぜひまっさらな気持ちで果敢に挑戦してほしい。
後藤陽次郎 Yohjiro Gotoh
~審査コメント~
久々にどんな作品が集まるか楽しみにしていたが、まず700を超える応募点数に驚いた。作品の傾向としては、すぐに商品化できそうな非常に実用的なものと、未来のさらなるデジタル化を見据えた実験的提案と、2手に分かれていたように思う。モノがあふれている昨今の世の中にあっても、視点を変えればアナログでも開発の余地はまだ十分ある。そんな可能性を実感したコンペだった。アイデンティティはこの先も重要なテーマになるだろうが、自分を表すものは何かを考えながら、同時に暮らしが楽しく豊かになるようなアイデアを追求してほしい。
中村勇吾 Yugo Nakamura
~審査コメント~
「しるし」を判子と捉えるとテーマがかなり限定されるので、どこまで成立するのか懸念していたが、予想外に広がりがあり大変興味深かった。自分という情報をいかに物質化するか、もしくは物質から人はいかに情報を引き出すか。その観点から多くのアイデアが寄せられ、それぞれによく考えられていたと思う。提案を通じて自分の中でも物質と情報の関係が整理された。SNDC再開にあたり基本的な方向性は見えたと思うので、次回はもっと物質と情報それぞれの魅力を高め、相乗効果を生み出していくことを念頭に取り組んでいただくとよいだろう。
原研哉 Kenya Hara
~審査コメント~
インターフェイスの専門知識を持つ中村さんが審査員に加わり、応募者も技術的な状況や社会の新しい繋がりを銘々咀嚼したのだろう。全般に見ごたえがあった。個人をしるす、あるいはしるしをつくるということが、社会で果たす役割を突き詰めて考えて行くと、単に印鑑だけではないさまざまなフィクションがあることに気づく。そのに集中することで、新しいプロダクトやサービスが生まれるのではないかという思いを強く持った。SNDCの面白さだけではなく、コンペ自体の成長や深まりも感じたので、この10年間は必要なブランクだったと思う。
深澤直人 Naoto Fukasawa
~審査コメント~
人間が自分をしるすとはどういうことか。応募者と一緒に自分自身も考える、いいきっかけになった。難しい課題だったにもかかわらず、全体にレベルが高く、そうか、これもしるすということか、と気づかされるようなアイデアが少なからずあった。その中でも個人賞の作品は、ともすれば社会の中で紛れてしまう印鑑に口紅の色で個性を与えた、情緒的で美しい回答だと思う。「しるす」は引き続き考えていくべきテーマであり、次代に対し私たちはどうすればいいのか問い続けていくことに、このコンペの意味があるのではないだろうか。
受賞作品についてはこちらよりご覧ください。