表彰式レポート
新しいプロダクトのデザインを募る「17th SHACHIHATA New Product Design Competition(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」の表彰式を、2024年10月11日(金)に開催しました。 過去最多となる応募作品1,538点より厳正な審査のもと選ばれた、受賞作品全9点の発表・表彰を行いました。また、幅広いジャンルでデザインの発展を牽引し続けている審査員の中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏、三澤遥氏、ゲスト審査員の岡崎智弘氏、モデレーターとしてデザインライターの角尾舞氏に登壇いただき、審査講評やトークショーを行いました。さらに、表彰式では次回の開催決定も発表しました。詳細は後日公開となります。
◆表彰式の様子
◆受賞作品
グランプリ「めでたいん!」 榎本 千紘
紐を引くとパンッと音が鳴り、名前がひらひらと宙を舞う。主役の名前のしるしをしのばせることで、少し特別なサプライズを仕掛けられるパーティークラッカーです。誕生日でも、結婚式でも、授賞式でも、名前で主役を引き立て最高の瞬間を作り出す、めでたいしるしの提案です。
準グランプリ「芽吹きかける想い」 須田 紘平
真っ白なノートを見つめる人の瞳には、これから書こうとする言葉の輪郭がうっすらと見えています。「芽吹きかける想い」は、そんな未形成な想いをひとつのしるしとして可視化したノートです。ユーザーは曖昧な想いを輪郭のあるしるしの上に記述することで、本当の想いを描き出していきます。
準グランプリ「なかみのそとみ」 松本 和也
運動会のお昼休憩。みんなでおにぎりを食べる時間が楽しみなんだけど、大好きな鮭だと思って食べてみたら梅干しだった、なんてことはありませんか?「なかみのそとみ」は、おにぎりの具材のパターンを印刷したアルミホイル。具材に合わせた包装で中身を可視化する、新しいしるしの提案です。
審査員賞 中村賞「結束水引」 中道 咲花
「結束水引」は、相手を思う気持ちをさりげなく表現するしるしです。ちょっとしたお土産を渡したい時や借りた物を返す時、ふつうの紐やリボンではなく、結束水引を使うことで、ありがとうの想いに輪郭を結びます。少しの手間で相手への気持ちを表す、こころを可視化するしるしの提案です。
審査員賞 原賞「陰影折紙」 江上 恵一郎/舟橋 慶祐
各面のグラデーションによって折り目というしるしを可視化した折り紙です。グラデーションは紙の重なりで生じる影を強調し、完成品をより立体的で趣のある印象に仕上げます。折り目を線ではなく、さらなる効果を生むしるしに作り替えるアイデアです。兜や風車など他の折り紙にも展開が可能です。
審査員賞 深澤賞「touchable mark」 楠 天童/楠 麻耶(チーム名:KUSU-KUSU)
“視えない”時でも触れば“わかる”ように。照明のスイッチやリモコンのボタンなどに、透明なインクで半立体の触れるしるしを押せるハンコです。もの自体の印象を変えることなくしるしを付けることで、一般の人や字の読めない子ども、触覚を拠り所にしている人などさまざまな人を優しくガイドします。
審査員賞 三澤賞「SKELETON」 東出 和士
スポンジに含まれたインクが印面へと浸透し、バネ式のギミックを伝って形をしるす。シヤチハタ印には、シンプルでありながら無駄のない洗練された構造美があります。そんな中身をあえて見せるデザインで、シヤチハタ印というプロダクトがもたらすわくわく感や押印する楽しみを可視化しました。
審査員賞 岡崎賞「すみがくれ」 長谷川 泰斗/山下 采夏
手紙の最後にイラストや笑えるひとことなど、見つかったら嬉しいしるしを残したくなるのは忍者の歴史を持つ日本人の特性でしょうか。「どこかにみつかるしるし」は箱の角や隅にこっそりしるしを残せるハンコです。宅配便の隅などに押して、見つけて嬉しい、見つかって嬉しい、そんな瞬間を作ります。
特別審査員賞「もじちょこ」 山本 晄暉
かじることで隠れた文字が可視化されるチョコレートです。誰かに感謝を伝える時に“ありがとう”のもじちょこを渡せば、かじった時にありがとうが文字としてふたたび相手の元に届きます。文字や言葉、想いを食べるという行為の中に可視化する、スイーツを素材にしたしるしの提案です。
表彰式撮影:井手勇貴
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