表彰式レポート

新しいプロダクトのデザインを募る「15th SHACHIHATA New Product Design Competition(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」の表彰式を、2022年10月14日(金)に開催しました。 全975作品の応募の中から厳正な審査のもと選ばれた受賞作品、全8点の発表・表彰を行いました。また、幅広いジャンルでデザインの発展を牽引し続けている審査員の中村勇吾氏、原研哉氏、三澤遙氏、モデレーターとしてデザインライターの角尾舞氏に登壇いただき、審査講評やトークショーを行いました。 さらに、表彰式では次回の開催決定も発表しました。詳細は後日公開となります。

※深澤直人氏はご都合により欠席となりました

◆表彰式の様子 グランプリ 「黄鴨印(あひるいん)」  繆 景怡 Miao Jingyi/邹 冱 Zou Hu(チーム名:MZ Design)
アヒルのおもちゃは多くの人の子供時代の記憶の縮図で、黄色の体と「ガガ」という鳴き声は忘れられない。黄鴨印は押した瞬間に、アヒルの鳴き声がする。押すたびに、子供の頃の思い出がよみがえる特別な体験をもたらす。

  準グランプリ 「K=5%」 堀 聖悟 Seigo Hori/瓜田 理揮 Riki Urita 「背景を装飾する」ことを目的としたスタンプ台。黒の濃度が「5%」という白に近いトーンでの装飾は、印影としては前に出すぎず、背景を静かな佇まいで演出する。今まで伝えることが難しかった送り手の「こころ」をささやかに表現する提案。

  準グランプリ 「ヤバ印」 塚本 裕仁 Tsukamoto Yuji 嬉しい時の「ヤバい!!」、楽しい時の「ヤバいw」、困った時の「ヤバい…」。自分のこころを表すとき、人は度々「ヤバい」という言葉使う。『ヤバ印』は、そんな様々な「ヤバい」のニュアンスを表す。「ヤバい」に含まれるたくさんの意味を再認識し、「こころを感じる」新たなハンコの提案。

  審査員賞 中村賞 「めくり文様」 田羅 義史 Yoshifumi Tara/三澤 萌寧 Mone Misawa/若田 勇輔 Yusuke Wakata(チーム名:ta_rabo) 梱包の細部にも相手への心遣いを行き渡らせるテープ開封済みの跡が残る特殊なテープ。思わぬ部分に和柄が現れることで、テープを剥がすという作業のなかにも小さな驚きと感動が生まれ、美しさにふと心に立ち止まる瞬間をもたらしてくれる。

  審査員賞 原賞 「ごめんなサイン」 都 淳朗 Atsuro Miyako/太田 壮 So Ohta 『ごめんなサイン』は、謝罪の気持ちをそっと伝えてくれるキャラクター訂正印。「訂正印」自体がキャラクターとなり、コミカルに気持ちを伝えるツールに生まれ変わった。本人の申し訳ない気持ちを表しつつ、貰い手もちょっとクスッとできる。

  審査員賞 深澤賞 「つまめるはんこ」 松岡 諒 Ryo Matsuoka 色々な持ち方に対応できるはんこの提案。薄い形状にすることで、手の中で安定する場所が増え、形状から方向が分かりやすく、持ちながらでも印の傾きが確認しやすい。

  審査員賞 三澤賞 「文具と共存する印鑑」 内海 篤彦 Atsuhiko Utsumi ペンやはさみなど、他の文房具と違和感なく共存する長い印鑑の提案。印鑑のサイズは「印を押す行為の社会的な意味」や「人の手のサイズとの関係性」によって 導き出されたものだと考え、「人の手のサイズとの関係性」よりも「他の文具との関係性」に注目。

  特別審査員賞 「ファーストハンコプロジェクト」 羽田 真琴 Makoto Hada 卒業記念でもらうハンコを自分でデザインするプロジェクトの提案。ハンコの歴史文化を学び、オリジナルの印影を考え、製造会社の工場見学に行き、ハンコを完成させる。学び、創り、使うことで特別になり、こころが宿る。

  表彰式撮影:小野真太郎
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