一般社団法人未来ものづくり振興会(所在地:愛知県名古屋市 代表理事:舟橋正剛)は、新しいプロダクトのデザインを募る「11th SHACHIHATA New Product Design Competition (シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」に関して2018年10月12日(金)、GINZA SIX6階の銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM(ギンザ アトリウム)で表彰式を実施し、受賞作品11点を発表しました。 第11回目となる今回は、10年前にも同役を務めた喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、原研哉氏、深澤直人氏に加え、Webやインタラクティブデザインにおいて実績を持つ中村勇吾氏を新たに迎えた5名の審査員、および特別審査員2名の計7名で厳正な審査を実施しました。 テーマは、『しるしの価値 The value of the sign』。長年「しるす」文化の創造に携わってきたシヤチハタにとって原点回帰ともいうべきこのテーマに沿って、自分であることの「しるし」(アイデンティティ)を表すプロダクトもしくは仕組みを募集し、全718点と過去最多の応募をいただきました。 またこの度、 2018年10月12日(土)・13日(土)・14日(日)の3日間、 GINZA SIX内の銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM(ギンザ アトリウム)にて、受賞作品展を開催中です。この機会に是非お立ち寄りください。  
<受賞作品一覧> ・グランプリ 1作品(賞金300万円) 「自己QR」(清水邦重) ・準グランプリ 2作品(賞金50万円) 「世界にただひとつの印鑑」(明間大樹) 「AIR SIGN」(青柳祥生) ・審査員賞 5作品(賞金20万円) 喜多賞 「イニシャル三文判」(堀川卓哉) 後藤賞 「印星(いんしょう)」(佐々木晴美、坂口杏奈) 中村賞 「360°Stamp」(山口真五) 原賞 「Wig」(服部隼弥、那須裕樹) 深澤賞 「LIP COLOR INK」(望月未来) ・特別審査員賞 3作品※(賞金20万円) 「ハンコマ!」(榊原伸一) 「Name Pen Brush」(竹中隆雄) 「印影」(米田隆浩) ※厳正な審査の結果、特別審査員賞は当初の予定1作品から3作品に変更となりました
  受賞作品についてはこちらよりご覧ください。  

■シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションとは

シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションは、1999年から10回にわたり開催してきた、プロダクトデザインのコンペティションです。 2008年を最後に一旦休止していましたが、この度、10年の年月を経て再開いたしました。11回目の今回、 『しるしの価値 The value of the sign』をテーマに、自分であることの「しるし」(アイデンティティ)を表すプロダクトもしくは仕組みを募集しました。シヤチハタは、長年「しるす」文化の創造に携わってきた企業として、原点回帰ともいうべきこのテーマを、10年ぶりの開催となるこのコンペで広く世に問いたいと考え、本テーマを設定しました。2018年4月から募集を開始し、応募作品総数は2ヶ月間で718点と過去最高を記録し、好評をいただく結果となりました。  

■審査員 コメント

喜多俊之 Toshiyuki Kita ~審査コメント~ 今年の応募作は過去のSNDCには見られなかったテクノロジーの要素が加わり、10年間の時代の変化を反映していたと思う。また「しるし」というテーマに対し、さすが印鑑の国と感心するような、判子の大切さを込めた作品が多く見受けられ嬉しく感じた。特に最終審査に残った作品は、パーソナルなプロダクトに必要なこだわりが強く伝わってきて、心惹かれるものが複数あった。次回もローテクとハイテク両方からのアプローチを期待しているが、今年の受賞作や講評にとらわれず、ぜひまっさらな気持ちで果敢に挑戦してほしい。   後藤陽次郎 Yohjiro Gotoh ~審査コメント~ 久々にどんな作品が集まるか楽しみにしていたが、まず700を超える応募点数に驚いた。作品の傾向としては、すぐに商品化できそうな非常に実用的なものと、未来のさらなるデジタル化を見据えた実験的提案と、2手に分かれていたように思う。モノがあふれている昨今の世の中にあっても、視点を変えればアナログでも開発の余地はまだ十分ある。そんな可能性を実感したコンペだった。アイデンティティはこの先も重要なテーマになるだろうが、自分を表すものは何かを考えながら、同時に暮らしが楽しく豊かになるようなアイデアを追求してほしい。   中村勇吾 Yugo Nakamura ~審査コメント~ 「しるし」を判子と捉えるとテーマがかなり限定されるので、どこまで成立するのか懸念していたが、予想外に広がりがあり大変興味深かった。自分という情報をいかに物質化するか、もしくは物質から人はいかに情報を引き出すか。その観点から多くのアイデアが寄せられ、それぞれによく考えられていたと思う。提案を通じて自分の中でも物質と情報の関係が整理された。SNDC再開にあたり基本的な方向性は見えたと思うので、次回はもっと物質と情報それぞれの魅力を高め、相乗効果を生み出していくことを念頭に取り組んでいただくとよいだろう。   原研哉 Kenya Hara ~審査コメント~ インターフェイスの専門知識を持つ中村さんが審査員に加わり、応募者も技術的な状況や社会の新しい繋がりを銘々咀嚼したのだろう。全般に見ごたえがあった。個人をしるす、あるいはしるしをつくるということが、社会で果たす役割を突き詰めて考えて行くと、単に印鑑だけではないさまざまなフィクションがあることに気づく。そのに集中することで、新しいプロダクトやサービスが生まれるのではないかという思いを強く持った。SNDCの面白さだけではなく、コンペ自体の成長や深まりも感じたので、この10年間は必要なブランクだったと思う。   深澤直人 Naoto Fukasawa ~審査コメント~ 人間が自分をしるすとはどういうことか。応募者と一緒に自分自身も考える、いいきっかけになった。難しい課題だったにもかかわらず、全体にレベルが高く、そうか、これもしるすということか、と気づかされるようなアイデアが少なからずあった。その中でも個人賞の作品は、ともすれば社会の中で紛れてしまう印鑑に口紅の色で個性を与えた、情緒的で美しい回答だと思う。「しるす」は引き続き考えていくべきテーマであり、次代に対し私たちはどうすればいいのか問い続けていくことに、このコンペの意味があるのではないだろうか。   受賞作品についてはこちらよりご覧ください。ニュース一覧に戻る