表彰式レポート

新しいプロダクトのデザインを募る「13th SHACHIHATA New Product Design Competition(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」の表彰式を、2020年10月16日(金)に開催しました。 過去最多の昨年778作品の応募を大きく上回る全1282作品の応募の中から厳正な審査のもと選ばれた受賞作品、全10点の発表・表彰を行いました。また、幅広いジャンルでデザインの発展を牽引し続けている審査員※の、後藤陽次郎氏、中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏も登壇し、審査好評やトークショーを行いました。 さらに、表彰式では次回の開催決定も発表しました。詳細は後日公開となります。

※喜多俊之氏はご都合により欠席となりました

◆表彰式の様子   グランプリ 「|x|^5/2 + |y|^5/2 =1」石川草太 柳沢大地(BAKU DESIGN) |x|^a+|y|^a= 1で表される曲線の中で、a>2のものを「スーパー楕円」と呼び、特にa=2.5の時の曲線が最も美しいとされる。円弧を面取りするより人の目に違和感がなく、持ち心地も優しい。円形、四角、どちらの印にも収まりがいい、〇でも□でもない、最も美しいしるしのカタチ。   準グランプリ 「名前柄紋様」石川和也 日常生活で「わたしの物」であることを証明する機会は多い。そこで「名前」と「書体」の指定で模様化できるシステムをつくり、名前を応用が利く模様に置き換えることで、物への愛着を持たせながら、「わたしの物」を証明するしるしを考案。名前の手軽な紋様化で、しるしの習慣化を図る。   準グランプリ 「シヤチハタの切手」須田紘平 シヤチハタのアイデンティティカラーといえる朱色を使った切手。鮮やかな朱を添えた便りは、人から人へ、さまざまな思いを伝え、その簡潔な佇まいは多様なシーンに馴染む。送り手、受け取り手、双方の暮らしを彩る、これからの新しいしるしの習慣。   審査員賞 喜多賞 「emo.pen [えもペン]」大越一輝 テストなどにペンで朱書きする「赤入れ」。そのやりとりには、評価する人、受け取った人、双方の感情が常に伴う。「emo.pen」は、自分オリジナルの輪郭スタンプに赤ペンで表情を描き足したしるしで、気持ち「emotion」を絵文字「emoji」のように情味をもって伝える。   審査員賞 後藤賞 「次の素材」倉島拓人 池田美祐 (M&T) オールプラスチックでありながら、100%リサイクル素材からできた印鑑。レジ袋有料化やプラスチック製ストロー削減などで環境への関心が高まっている今こそ、リサイクル素材を前面に打ち出すことにより、人々のエシカルな消費意識に訴える。   審査員賞 中村賞 「グリッド 五ミリ」張庭瑞 邱子堯 (desigNerd) クリエイションの始まりは常に一本の線であり、ルールやグリッドに従ったり破ったりの往復を続けることで最終の形にたどり着く。「グリッド五ミリ」は、手軽にさまざまなグリッドを引けるローラースタンプ。5ミリ長さの「ドット」「四角」「三角」の3模様展開。   審査員賞 原賞 「結紐 -ゆいひも-」岩佐樹 寺嶋啓介 (てらじまっくす) 日本には昔から多くの「結び」が存在し、感謝を伝える時、贈り物をする時、自分を奮い立たせる時、さまざまな場面で使われてきた。添えるものに応じて好きな長さ、形で結び、思いをしるして伝える、シヤチハタを象徴する朱い紐の提案。   審査員賞 深澤賞 「あなたに寄り添うハンコ」田島和久 磁石を内蔵した、金属面に付着できるハンコ。側面に5度傾斜をつけ、接地面から持ち手の一部を浮かせることにより、手に取りやすいデザインに。玄関のドアや冷蔵庫の扉、手を伸ばした先で、ずっとこちらに傾きながら、丁度いい場所にハンコは居る。   特別審査員賞 「mine」畝見謙人 石川菜々絵(raw) UV発色インクとブラックライトが1つになったシヤチハタ印「mine」は、自分の物を証明するしるし。通常時は無色透明で、ブラックライトを当てると印が浮き上がる。「承認」という公的なシーンで使われる印鑑で、「所有」という私的な人と物の関係をつくる、新しい使い方の提案。   特別審査員賞 「わたしだけの色々 Only my Colors」秋山健 万人に共通する個人認証法を考え、世界共通の「カラー」に着目。氏名や生年月日、血液型などの情報を色で表してデータ登録し、さまざまな自分の持ち物にも表示できる。明るく楽しく美しく、自分を示し、暮らしを彩る、わたしだけのしるし。 表彰式撮影:稲葉真 模型撮影:日本デザインセンター ニュース一覧に戻る