心を表す解像度
心の世界って、描写の解像度がすごく低いと思うんですよね。ものの形状や機能性の表現に比べて、どうしても自分の心を基準にするからか、ボキャブラリーが少ないものが多い。だから今回の「こころを感じる」は漠然としたテーマだなと思いつつ、心の捉え方の解像度が高まるようなものが生まれるといいのかなと思っています。曖昧な心というものに向き合う意味があるとしたらそこかなと。
例えば「愛」っていっても、その愛という言葉の概念を見る解像度が高まるといいですね。僕は情動的なものが比較的苦手なタイプなので、自分ではなかなか作れないですけれど、たまに映画や小説で見つかる瞬間もあります。そういう作品はやっぱり心の描写に対する解像度がすごく高くて、これまであまり見えていなかった人間の心の部分が明らかになる感動があるんですよね。ただそれをプロダクトのようなかたちで見せるのは至難の業なので、もしかしたらないものねだりの願望なのかもしれないですけれど。ボキャブラリーが少ないなかで心のポエムを書こうとすると、どうしても荒くなるんですよね。LEDが一つ点灯することに対して「そこまで思う?」みたいな過大な思い入れを伝えてくるアイデアなどはすごく多いです。