二組ある準グランプリ受賞者の一組である堀 聖悟さんと、瓜田理揮さんのペア。二人とも企業でデザイナーとして働きながら、今回の作品に取り組みました。「スタンプの色を変える」という小さなきっかけで、大きな変化を生み出そうとする二人に話を伺いました。

二組ある準グランプリ受賞者の一人である塚本裕仁さんは、企業でデザイナーとして働きながら、今回の作品を制作しました。授賞式で「現代アートのよう」とも審査員の原 研哉氏も評価したヤバ印の制作背景を伺いました。

会わないからこそ伝わること

パンデミック以降、人と会う機会は減りましたが、会話は減っていません。対面で話す方が気持ちが伝わると言われがちですが、僕は最近むしろ逆だなと思っています。会って話すと表情や動作など、すべての態度が見える分、対話自体の内容は薄くなることもある。ショートメッセージやSNSを通じたやり取りでは、たしかに相手がどういう状況にあるのかはわかりません。相槌を打ってくれているのか、どんな表情なのかもわからない。それを僕たちは、メッセージの句読点や、「!」や、絵文字などの些細な表現から推し量ります。そういう小さな、ある意味では容易いコミュニケーションのしるしが、意外と人間の心に響くのだなと感じているんです。

しるされるのはなにか?

このコンペでは毎年手を変え品を変え「しるし」をテーマにしていますが、そもそも「しるし」とはなんでしょうか。人は何をしるすのかというと、突き詰めれば「わたし」なんですね。だから僕は毎年、節目のように「わたし」について考えさせられます。